スパークスでは年間約3,000回の調査活動を通じて、優良な企業の選別、投資アイデアの発掘、裏付けを行っています。また企業への取材や訪問を通じて、特定の業界や地域での新しい動きや情報などをお伺いできることがあります。そのような情報から次の投資のテーマを見つけ出すことも少なくありません。
しかし、ただ漫然と話を聞きに行くだけで投資アイデアが見つかるほど簡単なものではありません。様々な情報から価値を抽出するためにどのような点に注意して調査を行っているのか。今回は調査ポイントの一例をご紹介します。
1つ目は「仮説」です。
アナリストやファンドマネージャーが企業取材などで会社の方が言われたことをそのまま聞いてくるようでは、調査とはいえません。
スパークスでは訪問取材を仮説の検証の場と捉え、調査の事前準備の中で得られる疑問や仮説を、企業がおこなっている事業のプロである方々に議論や意見をぶつけることによって理解を深めていく手法をとっています。こうすることで、日々の取材活動が「聞いてくる取材」から「理解を深める取材」に変化するのです。もちろん調査を進めるなかで仮説が間違っていることに気付くこともしばしばありますが、「仮説と検証」サイクルを何度も繰り返し、仮説の精度とスピードを上げることで、調査の質を高めようと努力をしています。
2つ目は「ボトルネック」に注目することです。
ボトルネックとは、文字通り「瓶の首」のように現状とあるべき状態との間に存在する不便や阻害要因を指します。必要は発明の母といわれるように、不便や阻害要因はニーズを生み出す原動力となるからです。ここに投資のヒントが含まれていると考えています。
部分的な障害が全体のパフォーマンスを制約しているだけに、ボトルネックを解消することで大きな成果が得られることが期待されます。ボトルネックが生じている製品やサービスは、ある意味において非常に付加価値が高い状態にあると考えられます。またボトルネックが解消することで、需要が集中することにより需給バランスが逼迫し、価格が上昇するなど、様々なビジネスチャンスが生まれることもあります。続いて、具体的な例を紹介します。
仮にボトルネックを見つけることが出来ても、それだけではただの気付きでしかありません。障害の規模や解消までの時間軸、それに伴う需要動向の変化、代替製品やサービスの有無、特需的な需要をしっかりと収益化できる企業や業界であるかどうかなど更に周辺調査を重ね、投資を行うに値するアイデアに練り込んでいく必要があります。
まだまだ他にもご紹介したい調査のポイントはありますが、このような発掘過程を経て出来上がったアイデアに基づいてスパークスの投資は行われています。