ETF(上場投資信託)による分散投資
上場投資信託
上場投資信託(ETF: Exchanged Traded Fund)は株式市場で売買される投資信託です。ETFはオープンエンド型投資信託(ミューチュアル・ファンド)ではありませんが、ミューチュアル・ファンドの売買の利点である分散投資を行え、また、ETFは個別銘柄の売買での流動性という利点もすべて併せ持っています。ETFでは即座に分散投資が可能です。それは、ETFを購入すると、複数の資産を組み込んだ1つのファンドを購入したことになるからです。ETFとは、ファンドマネージャーが株式、債券、商品などの様々な資産を組み込んだ大きなバスケットのようなものです。ETFを購入すれば、個々の要素を断片的に所有するのではなく、このバスケット全体を所有したことになるのです。
バスケットの中の資産価値が上がるとバスケットの全体的な価値も上がります。逆に、バスケット内の資産価値が下がるとバスケットの全体的な価値も下がります。すなわち、ETFに含まれる資産の価値が上がるとETFの価値が上がり、ETFの中の資産価値が下がるとETFの価値が下がります。ETFの売買は個人投資家にとっては様々な利点があります。本編では以下について説明します。
ETFの利点
指数・指標に連動する即座の分散投資
いつでも売買可能な自由な取引
ストップ・ロス・オーダー
安い手数料
指数・指標に連動する即座の分散投資
ETFでは、個々の資産をそれぞれ購入しなくても一度に複数の資産を所有することができます。例えば、S&P500の個別銘柄を購入する場合のコストや口座に必要な資金を考えてみてください。また、分散投資によって非体系的なリスクを回避することができます。例えば、日経225銘柄のうち、1つの銘柄だけを保有している場合、この株式の価値が下がると投資した資金を失います。しかし、ETFで日経225株価指数全体を保有していれば、1つの株価が落ちても、残りの224銘柄の株価はそのままかあるいは高くなって指数全体の価値を維持することができます。最も一般的なETFの多くは様々な市場の指数に連動しています。以下に一部例を挙げます。
●S&P500
●ダウ・ジョーンズ工業株価平均
●FTSE100
●DAXインデックス(指数)
●日経225
●FTSE/新華中国25インデックス
●ナスダック100
●CAC40インデックス
また、多くのETFは以下のような様々な市場セクター(業種)に連動しています。
●情報技術
●エネルギー
●素材
●工業
●電気通信
●公共設備
●医療
●金融